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第6話 空の湯ペダル GoTo山形おいしい空港編(2)

  • 2020.09.11
  • 過ごし方

 「ガチャ」、扉が開く音で好一は目を覚ました。先に洗濯をしていたお姉さんが洗濯物を取りに来たようだ。こちらを見ようともしない、ガン無視。まあ、夜中に浴衣でコインランドリーでビール飲んでる奴はそう思われても仕方がない。実際ノーパンだから警察でも呼ばれて取り調べを受けたらまるで言い訳が出来ない。そそくさと洗濯物を取り出し、ホテルへ向かう好一だった。

二日目、5時半に起きて準備を始める。なにもそんなに早く起きなくてもと思われるかもしれないが、前日のダメージが抜けていない好一の動きはナマケモノレベルなので、何事にも時間が掛かる。7時の朝食前に会計や自転車の空気は入れておきたい。この施設の良いところはサイクルラックがある事とエアポンプを貸してくれるところ。悪い点はサイクルラックの上と下にクモの巣が張っているところ。(好一はクモが大嫌いだった。)ロードバイクのタイヤは高圧なので毎日1割ぐらいの空気が抜けてしまう。それでも走れないわけではないが、走行抵抗が多くなったり、パンクの原因になるのでなるべく毎日適正空気圧にしたいところだ。そこで重要なのが空気入れ(エアポンプ)。タイヤのバルブにはいくつかの種類があって、自動車やバイクは米式、ママチャリが英式、ロードバイクは仏式(通称フレンチ)。バイクやママチャリはGSでもその辺の自転車屋さんでも空気が入れられるが、フレンチに対応しているポンプがおいてあるお店はスポーツバイクを扱うお店しかない。そのためにチャリダーは携帯用ポンプを所持しているのだが、あくまでも緊急用で理想の空気圧にするにはフロアポンプが不可欠なのだ。

スポーツバイク専用のサイクルラックがあるからには当然フレンチ対応のポンプがあるはず。しかし、職員さんにお願いして最初に持ってきてくれたのはごく普通のママチャリ用。「僕が欲しいのはこれじゃないんです。これ以外にないですかぁ~?」恐る恐る聞いてみると、暫く考えてから何かを思いついたように事務所へ。

「あなたが欲しいのはこれかな?」

戻ってきた彼の手にはホコリまみれの未開封のビニールに入ったフレンチ対応エアポンプ。どうやら、サイクルツーリズムの推進やらなんやらで配布されたようだが、今まで一度も使ってなかったそうだ。おぉ、利用者第一号!

イソップ童話のような茶番はさておき、 7時に朝食をとり、すぐに出発。本日は喜多方までの120キロだ。

 なんとか走り始めたものの、昨日の疲れはまるで回復していない。緩やかな上りがずっと続いていることもあって、20キロぐらいで巡航。足が痛い。

棚倉の坂が登れない。坂の途中で一休み。まだスタートしてから1時間も走っていない。前日は最初の休憩が60キロ地点だったので本日のダメっぷりがよく分かる。道路脇で放心状態で通り過ぎる車を眺めている。暫くボーっとしてても何も変わらない。そう、自転車は自分が動かなくては何も変わらない。残酷な現実を再認識して、半ば覚悟を決めてまたサドルに跨った。

スタートから40キロ。白河に着いたのが10時、昼食にはまだ早いのでそのままスルー。東北道をくぐるといきなり民家が少なくなる。54キロ地点でコンビニがあったが、11時前なのでこれもスルー。暫く走ると左に曲がって山に向かっていく、いよいよ本日のメインイベント、R294猪苗代湖までのヒルクライムに突入だ。頂上までは6キロ。たかが6キロ、されど6キロ。平均勾配5%、最大勾配10%。

これまでは平均速度23キロだったが、坂に入ってからは10キロが良いところ。どんどん斜度は急になってくるし、腹も減ってきた。腹が減ると力が出ない。こんなところでハンガーノックになったら大変だ。

ハンガーノックとはハンガーノックダウン。極度の低血糖により体が動かせなくなる状態の事。こうなるとまるでスイッチが切れたように体が動かなくなる。自分の場合、納豆ご飯一膳だと70キロでスイッチが切れる。今日は暑さと疲労で体力の消耗が激しいようだ。

おいしいランチは諦めて坂の途中で一休み。昨夜コインランドリーで食べ残したおつまみアーモンドとチーかま、カロリーメイトが本日のランチメニュー。

再び走り始めると勢至堂トンネル。トンネルをくぐれば平坦な道が続き、その後滝沢バイパスの豪快なダウンヒルを下れば本日の目的地、喜多方に到着。

本日の宿は昔の風情が残るふれあい通り沿いのビジネスホテル。近くにはラーメン屋が多く立ち並ぶ。ホテルの人に聞くと、喜多方のラーメン店はなんと120軒もあるそうな。おっと、その前にお洗濯。このホテルには工事関係者も多く無料の洗濯機が完備している。助かった、昨日のような事はしなくていい。混む前に洗濯を終わらせて、浴衣に着替えてラーメン屋に出発。

 120件もあると悩みますが、結局無難なところで坂内食堂本店。全国でチェーン展開しているラーメン坂内のお師匠?みたいなお店です。18時の閉店間際に行ったので殆ど待たずに入れたけど、それでも大盛況。テーブルはアクリル板仕切ったあってコロナ対策もバッチリ。おいしい素朴な縮れ麺が食べられて大満足。

ホテルに早めに戻って足腰に湿布を貼りまくり。

ビールの酔いが回ってきた頃には夢の中の好一であった。

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